2009年8月28日金曜日

リウマチ治療における漢方薬の誤解

漢方薬のサイトやブログで「リウマチが治った」という表現、ニュアンスをよく見かけます。
治るのかもしれませんが、大きな誤解をされているところもあるようなので、私見を述べさせていただきます。
リウマチの治療は、2つの大きなカテゴリーがあります。
ひとつは、「関節の痛みをとる」こと。そしてもうひとつは、「関節の破壊を抑制する」ことです。
これら2つはまったく別の治療方針を取らねばならないことに注意が必要なのです。
リウマチ治療に漢方薬を取りあげているサイトでは、むしろ、痛みをとる治療に比重がおかれている気がします。
確かに、西洋薬では痛みをとる治療薬というと、ステロイド剤かもしくは、非ステロイド性の消炎鎮痛薬しかありません。これらで取れる痛みは、正直もうしあげて限られています。
その点漢方薬は、個別の痛みに対して、まったく異なる処方をすることができる点で、非常にすぐれていますし、有益であります。このブログでも何人かの患者さんの実例を紹介しているのも、漢方薬の特筆すべき点を認めているからです。

しかし、ここに落とし穴があります。
つまり、痛みがないことはリウマチが「治った」ことにはならないからです。
先にあげましたように、漢方薬が関節の破壊を抑制できるか?については、十分な論拠がないのです。実際に痛みがなくても、関節の変形が進んでいく方もいます。ここが、最も注意しなければならない点です。
関節破壊の抑制という視点では、圧倒的に西洋薬の方が実績があります。
そういう意味からすれば、現在リウマチの治療においては、西洋医学と東洋医学の理想的な融合が可能な時代になったのだと思っています。

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