2009年12月22日火曜日

そんなに麻黄湯が処方したいのですかね~

妻から雑誌を見せられ、麻黄湯をインフルエンザの第一選択薬にしている小児科医の記事を拝見しました。内科医の先生が書かれたものなら、別段気にもしなかったのですが、「小児科医」という点に敏感に反応してしまいました。
おりしも、菅沼先生の講義を聞いたばかりでしたから、なおさらでした。
記事を読む限りでは、「麻黄湯はタミフルと同等の治療効果がある。タミフルは副作用があるが、麻黄湯ではその点も大丈夫・・・」と、途中で読む気がなくなりました。
麻黄湯に副作用がない?とんでもない誤解です。
それに、タミフルと同等ってどういう意味なんでしょうか?
このように、病名処方を続ける医者がいる限り、漢方薬の正しい運用は絶対に行われないし、その効果も全く期待できないでしょう。
だいいち、小児に麻黄湯を処方するナンセンスが私にはわかりません。
風温初期は銀𧄍散というのは、以前にも書いたこと。
麻黄湯証の人は、私のところには年1人か2人程度です。
こういう記事が一般の方へ配布される害は、すでに出ています。
その代表が、脂肪をとる「あの」薬です。
いっそのこと、ご希望の方に、漢方でメタボ外来をやろうかと思う今日この頃です。

2009年12月14日月曜日

早くも鼻炎の方がいます

来年の話をすると鬼が笑うといいますが、すでに鼻炎が始まっている方がいます。
スギ花粉とは考えにくいので、おそらく雑草系とくにイネ科の花粉に反応しているのではないかと思います。
本日も、数名鼻炎症状の方がいました。
今の時期から鼻炎症状を訴える方は、当然シーズン中は重症となります。
西洋薬では、大学病院で治療しようが、当院で治療しようが、同じ保険適応の薬だけが使えます。
ですから、どこで治療しても原則同じです。
が、漢方治療は異なります。
というのも、何を処方するかで効果が全然違うからです。
当院でよく処方されるのは、○○○散か▽▽飲でしょうか。あと、■■■散もよくでます。
ここでも、温病の知識が役に立ちます。
やはり、アレルギーは炎症性疾患ですからね。
さて、来年はどんな傾向になるのでしょうか・・・。

2009年12月12日土曜日

肥満と漢方

メタボの検診が定着したのか、最近質問が多いのが、「やせる方法について」です。
運動とお答えしていますが、「3日坊主」が通例という方がほとんどでしょうか。
当院でも運動療法実施していますが、体重が減った状態を維持できている方は少ないです。
日本人の肥満を中医学的に捕らえるには、湿の存在はかかせません。
ですから、各メーカーさんが一生懸命販売している、防風通聖散は合ってない方がほとんどではないでしょうか。(前のブログにも書きましたが・・・)
湿が入っている原因臓腑をどこに求めるかにもよりますが、肝なら●●●湯とか、脾なら■■散とか、▲▲▲▲散とかがあげられます。
別に、やせることを目的に処方しているわけではないのですが、慢性じん麻疹で受診中の方には●▲■湯を処方しています。最近の受診時に「先生、なんか急にやせちゃったんだけど」とのこと。
「変な病気ないよね。調べてくださいよ」と、おっしゃったのですが、もちろん正常です。
やはり、こういう証にあった処方こそやせるんだなと、改めて思った今日この頃です。

2009年12月10日木曜日

婦人科系疾患

当院は婦人科を標榜していません。
が、婦人科系の疾患のご相談を、よく受けます。
ある方が、「婦人科でないのに、婦人科的な疾患を相談するのに、ちょっと違和感がある」と、おっしゃられました。
ごもっともです。
しかし、問題は婦人科の先生が婦人科疾患を解決できないところにあるのではと、思っています。
もちろん、私も100%は解決できないかもしれませんが、少なくとも当院にいらっしゃる前よりは良い状態になれるように、いろいろな処方を検討します。
本来なら、専門家であれば尚、その守備範囲の疾患はもらさず対処するのが、本来の専門家ではないでしょうか。
全打席ホームランを狙ってこそ、真の4番打者でしょう。
私も、そうありたいと、日々努力しています。
ですから、自分の専門であろうとなかろうと、いらっしゃる方の症状の改善に全力を尽くすのが、私の仕事です。

2009年12月2日水曜日

お肌トラブル解消への道

女性の悩みのベスト3に入りますよね、お肌トラブル。
で、アレルギー科を標榜しております当院としましては、アトピーや慢性湿疹の方の受診が中心となります。が、ときとして、純粋なお肌トラブルの方がいらっしゃいます。
本来、肌とは、内臓の調子や生活習慣を反映しやすいのですが、それらを「置いて」やはり、肌を改善したいとうご希望は多くあります。
美容系の診療科ではないのですが、漢方薬を用いて体内から「デトックス」はできます。さらには、西洋薬を併用することで、相乗効果も得られます。
つい最近も、肌荒れを何とかしたいと、いらっしゃった患者さまがいました。
診察後、生活習慣指導の上、処方をしました。
で、1ヵ月後の再診です。
診察室に入ってくるなり、肌が綺麗になっている。
ご本人も、調子が良いとのこと。
けれど生活習慣改善は半分とのこと・・・。
この条件でここまで肌が良くなる漢方の威力にビックリしつつも、さらなる改善を目指そうと思った今日この頃です。