2009年4月23日木曜日

10年以上の関節痛

リウマチ以外の方でも、関節の痛みでいらっしゃる方は、多くいらっしゃいます。
つい最近も、他医院の先生からご紹介をいただきました。
なんでも10年ちかく、方々の医院を受診され、いろんな治療法を試したけど、治らない肩と膝の痛みでの受診でした。お決まりの如く、診察をさせていただいて、舌証を中心に●●●●湯と△△△△湯を合わせて処方させていただきました。また、長びく痛みにはお約束のブシ末を付け加え、2週間飲んでくださいとお話しました。
すると、その方は、「漢方ですか・・・」と、タメ息・・・。
「以前も漢方薬だしてもらったんですけど、ぜんぜん効かなかったんですよね~」とのこと。
何を処方されたのか伺うと、八味地黄丸と・・・。
うーん、この証に八味地黄丸か・・・・。効くわけないよねと、思いつつ、
「2週間で効果なければ、言ってください。処方がずれているか、私の誤診ですから」と、お話をして帰って行かれました。
2週間後、「しっかり歩けるし、肩も上がり、そして痛みも半分以下になりました~」と、いらっしゃいました。やっぱり、漢方薬は即効性がありますよね。かゆみでも、痛みでも、効果の発現スピードはいつもながら、感心してしまいます。

2009年4月21日火曜日

舌は口ほどにものを言う

診察所見の中でも、重視するのは舌証です。
舌をみれば、その方の症状、生活習慣などなどがわかります。
例えば・・・
6歳のお子さんの場合。
アレルギー性鼻炎で受診されましたが、舌証はオケツ。
けれども、湿証がないから、糖分の影響が考えにくい。はて?・・・
「まさか、コーヒーは飲んでないですよね~」と、何気なくお母さんに問いかけると、
「そうなんですよ、この子、毎朝お父さんといっしょにコーヒー飲むんです。けど、先生、なんでわかるんですか?」とのお返事。
聞いた自分がびっくりして、しばし、言葉を失いました。

はたまた、15歳のお子さんの場合。
舌証は典型的な花剥舌。
「辛いもの食べ過ぎてませんか?」と、何気なくきいたら
「なんで分かるんですか?誰から聞いたんですか?」
と、逆に質問攻め・・・。
いや、舌がそう言ってるんですが・・・。

これだけ多彩な症状を呈してシグナルを発してくれる舌証は、診断治療の上で欠かせません。
お願いですから、受診の前に、舌を綺麗にしないで下さい。特に、女性の方へのお願いです。

2009年3月30日月曜日

肩こりはつらいですね~

かくいう私も肩こりに悩んでいるひとりであります。
肩こり=葛根湯という、公式があるのか、はたまた某メーカーの策略なのかは知りませんが、証を外した葛根湯は効くわけありません。
本日も、葛根湯を処方されたものの、効果がないという方がお見えになりました。
拝診したところ、見事なオケツ症状。加えて冷え性もありとのこと。
血圧もやや高めであり、丹参をつかった●●顆粒を使用した方がいいのではというアドバイスのみで、痛みがひどい時の痛み止めだけ処方させていただきました。
保険がきかない薬は、自費となりますが、それでも効果のない処方薬を延々飲むよりは、はるかに投資効率がいいと思います。
やっぱり、治ってなんぼの世界ですから。
ちなみに、私もこの薬、愛用しています。

2009年3月26日木曜日

防風通聖散でやせる人って

健康診断に盛り込まれ、すっかり市民権を得たメタボです。
便乗商法がはやるのは、いつの時代も同じことで、各メーカーさんの市販薬をドラッグストアで見かけるのが、この防風通聖散です。
実際に、この漢方薬の適応証を持っている人がどのくらいいるのかはわかりませんが、あたかも「これ飲めばやせる、皮下脂肪が減る」みたいな印象をもたせる宣伝文句はいかがなものかと思います。
本来は裏熱をとる清熱剤であり、ベンピに用いられることが中心の方剤です。
某メーカもベンピ薬で出していたのに、いつの間にか、脂肪を取る薬に変えて売っているのには、苦笑いものでしたが・・・。
イメージとしては、太った赤ら顔の見るからに肥満体質で、ニキビができているような若い方だったら効果があるかもしれませんが。
メタボの診断を受けた方で、はたしてこのイメージがマッチする人は何人いるのだろうと、思うのはわたしだけでしょうか?

ちなみに、今自分が処方を受けている●●●湯は、私の体重を5kg落としてくれました。
防風通聖散では、こうならなかったでしょう。

2009年3月24日火曜日

女性のアトピー

本日女性のアトピー性皮膚炎の方が数名いらっしゃいました。
お一人お一人、処方は違うのですが、共通事項があります。
それは、ホルモンバランスの変化によって、アトピーが生じていることです。
ある方は、生理前に症状が強く出て、生理が終わると症状が軽くなる。
また別の方は、閉経前になって、初めてアトピーの症状が出る。
また別の方は、生理が始まってアトピーになった・・・・などなど。
このように、症状の出方は様々ですが、女性ホルモンのバランスとアトピー性皮膚炎は密接な関連があると考えています。
後は、証を拝見させていただいた上で、処方を決定となるわけです。
オケツが共通項にあることはさておき、問題は、熱証なのか、寒証なのかを見分けることでしょうか。
アトピー性皮膚『炎』というくらいだから、熱証が多いような印象をもたれるかもしれませんが、意外に寒証の方も多いと思います。
寒証の方に、清熱剤を処方してもよくなるわけありません。
そして、寒証のアトピー性皮膚炎は圧倒的に内傷による寒証ですから、治療のポイントは決まってきます。
そこにオケツがどの程度の割合で関与するかは、実際に処方してみて、治療効果を判断した上で、処方内容を調整していきます。
意外に女性のアトピー性皮膚炎を治療しやすいと思うのは、このパターンが出来上がっているからなのかなと思う今日この頃です。

2009年3月19日木曜日

視界良好!

日常診療に忙殺され、さらに雑用の山をこなして、毎日をおくっていました。
更新おくれてしまい、気がつけば、2か月放置・・・。
もうちょっと真面目に更新しますので、よろしくお願いします。

でもって、今日は生薬の処方の話です。
某製薬メーカーの方が、むくみをとるために利尿剤を使っていたけれど、頻回にトイレに行くようになってしまうので、どうしても別の薬がないかと、相談を以前受けました。
診察させていただいた上で、さっそく、○○○○散を処方したところ、非常に良好とのこと。
数日たって、その方が再び受診をされました。
「目がショボショボしてしょうがないんです。運転も危なくて・・・」と。
先に処方した○○○○散が効く肝胆湿熱に加え、オケツを診てなので、●▲地黄丸を処方させていただきました。
数日後、2服飲んだだけで、著効したとのこと・・・。
エキス製剤もいいけれど、やはり生薬はききますね。

2009年1月31日土曜日

そりゃ、治らないよ

漢方治療のみならず、一般に当てはまることですが、どんなに治療してもよくならないことがあります。
生活習慣が原因です。
タバコ、お酒、甘いもの・・・
いわゆる内傷に関係する生活習慣病です。
とくに、湿疹やアトピーに関しては、これら内傷は治療を妨げる大敵です。
けれど、病気を治す以上に大変なのは、これら生活習慣を改善することでしょうか。
コレステロールだけじゃないんですよね。